

トランス酸とは?
トランス酸とは不飽和脂肪酸の一種で、動物油脂.植物油脂に含まれる通常とは異なる構造を持つ脂肪酸のことを言い、反芻動物(牛・羊・山羊)の肉や脂肪、乳に含まれているものと、植物性油脂の脱臭工程等で生成するものがあります。
加工油脂
マーガリンやショートニングドーナッツ、フライドポテト等⇒加工油脂(水添脂)を製造する過程で生成
反芻動物の肉や油脂加工油脂
牛肉、バター、牛乳、乳製品等⇒反芻動物(牛・羊・山羊)の体内バクテリアにより生成
食用植物油脂
精製している植物油脂マヨネーズなどの植物油脂を原料にした食品⇒油を高温で加熱する過程で生成(脱臭工程)
何が問題なのかというと、このトランス酸を多く摂取することで血中悪玉コレステロールが上昇、善玉コレステロールを低下させ、脳血栓、心筋梗塞といった循環器系の疾患に罹るリスクが高くなりやすいといわれており最近とみに欧米に於いて話題になっております。
欧米の場合
動物性油の摂取が多く、トランス酸規制が行われております。
- トランス酸は、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させる。大量に摂取することで動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるといった見地から、デンマークでは2004年1月1日から国内のすべての食品について、油脂中のトランス酸含量を2%までとする制限が加えられました。
- 米国保険福祉省食品医薬品局(FDA)の規制により2006年1月1日以降トランス酸を含む食品に於いては、その栄養成分表示欄にトランス酸の含有量を明記することが義務付けられることになりました。
- この流れの中で、WHO(世界保健機関)もトランス酸摂取量を摂取エネルギーの1%未満(グラム数で2グラム程度)とするように勧告を行いました。
- 日本マーガリン工業会では、日本人のトランス酸の摂取量は、現在普通に見られる食生活に於いては、国民1人当たり1日に約1.56gと低く摂取エネルギーの0.7%程度で、アメリカ人の5.8g、EU14カ国男性の1.2~6.7g、EU14カ国の女性の1.7~4.1gと比べ摂取量が少なく、日本人の食生活の現状ではなんら問題がないと見解を示しております。
- 内閣府食品安全委員会は、日本のマーガリン、ショートニングは米国のものと違い水素が添加されていない未硬化植物油に部分的に水素を添加した油脂を配合したり、マーガリン等では水素添加した硬化油の配合を少なくして融点の低いものを製造するため、米国のものよりトランス酸の含有量が少なく、摂取量もWHO勧告値の1%未満である点から、トランス酸摂取による健康への影響は、小さいとの見解を発表しております。
日本の場合
- 海外に比べ摂取量が大幅に少なく、動・植物脂肪の規制はなく、健康への影響は小さいと発表されています。(内閣府食品安全委員会)
- この流れの中で、WHO(世界保健機関)もトランス酸摂取量を摂取エネルギーの1%未満(グラム数で2グラム程度)とするように勧告を行いました。
- 日本のマーガリン、ショートニングは、米国のものと違いトランス酸の含量が少なく、トランス酸の摂取量も現在普通に見られる食生活に於いては、国民1人当たり1日に約1.56gと低く摂取エネルギーの0.7%程度で、アメリカ人の5.8g、EU14カ国男性の1.2~6.7g、EU14カ国の女性の1.7~4.1gと比べ摂取量が少なく、摂取量もWHO勧告値の1%未満である点から、トランス酸の摂取量に関しましては日本人の食生活の現状で何ら問題無いと考えております。穀類、肉類、魚介類、野菜、果物といった食品をバランスよく摂っていただくことが何よりも大切と考えております。
食品 | トランス酸の含有量 | |
---|---|---|
% | 食品中の油分% | |
マーガリン | 13.5 | 66~70 |
バター | 4.1 | 80 |
チーズ | 5.7 | 30 |
牛乳 | 4.5 | 3~4 |
食パン | 9.3 | 6 |
ドーナッツ | 0.8~23.9 | - |
フライドポテト | 0.8~19.5 | - |
レトルトカレー | 6.2 | 6 |
牛肉バラ | 4.9 | - |
牛肉ヒレ | 2.7 | - |
植物油 | 1.0~3.0 | 100 |
(日本食品油脂検査協会調べ)
※植物油はメーカー調べ
植物油に多く含まれるリノール酸は、血中コレステロールを低下させ脳血栓、心筋梗塞といった循環器系の疾患に罹るリスクを減少させることも解ってきています。
また、油脂は人体にとっては必要不可欠な栄養分ですので、良質の油脂をバランスよく摂取して頂きたいと考えています。
(株式会社J-オイルミルズ 品証・環境室 提供)